フロアマネジメントの役割

【実家のお店】

 

私ごとですが、プロフィールにもありますように

私の実家も飲食店です。

ここのところ人手不足で、土日になると私はお店に借り出されております。

実家の店で私は

ホールもやります

厨房もやります

皿洗いだってなんだってやります。

 

 

【頼まれごとは試されごと】

 

頼まれると、ついつい期待以上に頑張ってやろうと思う私。

ですので、疲れた疲れた言いながらも、やはりお手伝いに実家に帰るんですね。

お店を手伝っていると、色々な場面に直面します。

 

今日は、私の実家で実際に起きたことをお話したいと思います。

皆様も一緒にお考え頂けましたら光栄です。

 

【混雑の時間帯に限って・・・】

 

場所は埼玉県の陸の孤島

ひっそり佇むそば懐石料理屋

時間は日曜日の昼過ぎ

 

その日は朝からカンカン照りにも関わらず

開店の20分前から、外には7組のお客様がお待ちになり

開店と同時に、まるで満員電車になだれ込むように

お客様ご来店。

一気に満席に。

その後もお客様の流れは加速するばかり。

正午をまわる頃には待合室にも入れずに、店の外では7月の蒸し暑くカンカン照りの中、

十数名のお客様がまだかまだかと、お待ちになっておりました。

そんな騒がしい昼時の店内でヒヤリとする出来事がありました。

 

日曜日の店内は注文が重なり、平日よりもお食事を提供するのには時間がかかります。

中にはクレームを言うお客様も昔はおりましたが、今はあまり遭遇しません。

ここでは、待たされて当然という認識が強くなってきたのでしょうか。

しかし、そうはいかないのが「お子様」です。

待ち時間が退屈で退屈で仕方ありません。

 

 

【第一の爆音】

案の定。

3歳くらいの男の子が大声で泣き始め、ぐずりだしました。

しかし、その子のご両親はお互いスマホに夢中なわけです。

 

「隣の席のお客様も本当に迷惑そうな顔をしている・・・」

「注意しに行かなければ!」

と思った矢先のこと。

【第二の暴走】

なんとその男の子が店内を走り回る始末。

これは危険です。

他のお客様に迷惑をかけるだけでなく、男の子自身が怪我をする可能性もあります。

男の子が店内を一周走り終える手前で

 

「ほーら、捕まえた。」

店の従業員の女性Yさんが男の子を確補しました。

Yさんは、しゃがんで、男の子に目線を合わせ、笑顔いっぱいで何か話しかけておりました。

「お店の中はね、熱いものや危険なものが沢山あるから、パパとママのところでおとなしくしていてね。

僕はよい子だからできるよね」

そして、速やかにご両親の元へ男の子を連れていき、

ご両親には、他のお客様へ迷惑がかかる旨、お子様自身にも危険が及ぶ旨を伝えたのです。

 

ご両親も「すみません」とは言ったものの、また子供を放置しました。

お母さんに、かまって欲しい男の子はお母さんの髪を引っ張ったり、頬をつかんだり・・・

しかし「うるさい、おおなしくしてなさい」と怒られる。

 

数分後、男の子はまたぐずりだしました。

 

【第三の破壊】

先ほどの従業員Yさんが、男の子のオーダーしたお料理をまっさきに男の子へ提供しました。

「ごめんね~待っているのも退屈よね」

と、また優しく声をかけました。

 

男の子は照れたように、ニコニコしながら、体をくねくねさせた瞬間、腕がグラスにぶつかりジュースをこぼす・・・

グラスを割り、座布団はビシャビシャ。

さすがに、これにはご両親も本気で謝ってくれました。

母親「すみません、座布団まで汚してしまって」

従業員Yさん「大丈夫ですよ。それよりお怪我はないですか?お洋服は大丈夫ですか?」

私も、おしぼりとタオルを持ってお客様の元へ。

 

その後は、おとなしくお食事をしてくださいました。

 

お会計の際も「また是非いらしてください」と笑顔でご両親と男の子に挨拶をする

終始笑顔の従業員Yさん。

彼女の対応には、誰も嫌な気持ちにはなりません。

 

【フロアマネジメントの義務】

常連さまの中には、きちんとお子様のしつけをされている方がほとんどですので

「お子様お断り」

とは、なかなか出来ないものです。

 

小さなお子様を持つお母さん方は、外食に行く店を選ぶポイントとして

「子供連れでも安心して利用できる店」が上位に上がっているくらい、お母さん方も、周囲には気を配られてます。

しかし一方では配慮の足りないお客様がいるのも事実。

お店はご来店頂いた全てのお客様が快適にお食事をしていただけるよう、フロアマネジメントする義務があります。

 

【今回の実際にあった出来事をまとめてみました】

 

お子様が騒いだらどうしますか?

①子供を飽きさせない工夫

お子様のドリンクや料理を先に提供する。

簡単なおもちゃなどを用意しておく

②注意を促す

注意を促す際は、お客様の心情を察してさりげなく、決して大きな声で注意しないように。

他のお客様へ迷惑がかかる旨を伝える。

③お子様がフロアを走り回ったら?

速やかにご両親の元へ連れて行き、他のお客様に迷惑がかかるだけでなく

お子様自身が怪我をする可能性もあることを伝える。

 

 

【注意のタイミング】

注意するタイミングが非常に難しい。

周囲にお客様が居ない場合、少ししたら落ち着きそうな場合には、見守ることも大切なのですが、

他のお客様に先に注意されてしまっては、フロアマネジメント失敗です。

 

【仕事に想定外はない】

非常に難しい【フロアメネジメント】。

忙しいときに起こる想定外の出来事。

しかし仕事に「想定外だった・・・」なんて言葉はいりません。

どんな出来事もある程度の想定をしていなければ、正しい対応は出来ません。

従業員を雇う場合、マニュアルを作ってロープレしてみるのもよいと思います。

どんなに忙しくても、落ち着いて、笑顔で、言葉はゆっくりと。

ハプニングに直面したときには、是非この3拍子で対応してみてください。

 

 

今日は実際に実話をもとに【フロアマネジメント】についてお話させていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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中込 絵麻

中込 絵麻

調理師
1975年生まれ 東京都世田谷区出身 子供の頃から、飲食店の経営者であった父に憧れ、高校卒業と同時に調理師免許を取得するが、もうひとつの捨てられなかった夢「建築士」を目指し建築学科へと進学。 卒業後は内装設計会社へ就職し、設計~施工管理を担当する。 飲食店、病院、エステティックサロン、オフィス、住宅等を手掛ける。 手掛けた店舗の中には十数年経つ現在も売上をのばし続け繁盛店もあれば、オープンして数年後店舗の前を通ったら違う店舗になっていたという悲しい経験もあります。 夢を形にする幸せをお客様と共感したい。その幸せの形を継続させたい。 そんな強い思いの中、数々の経営者をサポートしてきた会計のプロである当事務所の代表税理士である中野克美と出会いなにか飲食店の皆様のお手伝いが出来ないだろうかと、このプロジェクトを立ち上げました。
中込 絵麻

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