~飲食店を開業したい~内装費の見積書の読み方

皆様こんにちは。

今日は飲食店の内装費の見積書についてお話したいと思います。

実は開業資金の中で50%を占めるのが、内装工事費。

しかし、その内装工事の見積書を取り寄せたはよいが、何ページにもわたる内訳書があり

そこには聞いたことない言葉ばかり・・・

大きなお金をこれから払うのですから、納得できなくては困りますよね。

今日は、内装工事の見積書について、お話していきます

 

~内装業者から見積書を取り寄せたものの・・・~

内装業業者から見積書を取り寄せたものの、そこに書いてある内容がイマイチ解らない。

そんな経験はございませんか?

解らなくて当然です。だって普段使わない言葉が沢山でてくるのですから。

まずは、見積書の内容についてお話します。

~【見積書の有効期限】~

見積書の表紙になる1ページ目

【見積書の有効期限】

見積書には有効期限があります。

普段お願いしている職人さんが集まらなかった時など、別の職人さんを手配しなければなりません。

職人さんの人件費は、職人さんによって異なるため、ある程度の工事期間を想定し、そこに職人さんを配分して見積書を作成しています。

工期が大幅にずれると、予定していた職人が別の現場に入ってしまい、別の職人さんを手配しなければならなくなります。

もちろん、別の職人さんとなると職人さんの人件費(人工)も変わってきます。

このような理由により、見積書には有効期限を設けています。

 

~【仮設工事】~

仮設工事とは、材料や機材の搬入の際に壁や床を傷つけないための養生であったり、

塗装工事の際、マスキングといって塗料が必要以外の箇所に付着しないよう、マスキングテープを使って養生をします。この費用も仮設工事に入ります。

その他、足場の設置なども含まれます。

つまり本工事の準備をするための工事のことを言い、仮設工事で設置されたものは工事終了後に撤去します。

 

~【軽鉄・ボード工事】~

軽鉄とは、壁や天井の骨組を作る材料で、正式名称は軽量鉄骨と言い、ボードは壁や天井の面になる材料で、よく使われているのはプラスターボードです。

図面を見ながら、寸法を測り、実際の店舗内の床に作図をしていきます。

床に墨を打って作図をすることから、この作業を【墨出し】と言います。

墨を打った箇所にスタットと呼ばれる軽量鉄骨の柱を建て、スタットの両面にプラスターボード(壁材)をビスで打ち、スタットを挟んで壁を作っていきます。

 

~【左官工事】~

左官工事とは漆喰や珪藻土などを壁や天井などにコテで塗って表層を仕上げていく工事。

コテを使うことにより、職人さんの個性が出ます。

左官工事は、熟練の技が重要視されます。

私が内装屋さんにいた頃は、必ず左官工事には立ち会いました。その場でイメージを伝え、仕上がりを見ながら進めていました。

 

~【電源工事】~

電源工事は、その名の通り電気の工事のこと。

照明器具の設置やコンセントの設置、分電盤など、配線から器具付けまで行います。

実は電気工事屋さんが、どの業種の職人さんよりも1番長い時間、現場にいる職人さんなのです。

1番最初の軽鉄ボード工事の頃から居ます。

何故ならば、ボードで完全に壁が塞がれる前に配線を壁の中に通さなければならないからです。

そして工事の終盤、表装が仕上がったら【器具付け】といって、コンセントプレートや照明器具を設置します。

 

~【空調工事】~

空調工事とは、エアコンの設置です。

店舗の場合、天カセ(天井カセット型エアコン)が一般的です。天井埋め込み型のエアコンのことです。

エアコン本体の重量もかなりあり、躯体からボルトで吊るため、設置にもかなりな労力が必要とされるため、工事費用は一般の家庭用壁掛けエアコンに比べ、びっくりするほど高くなります。

 

~【塗装工事】~

塗装工事とは、建物内外の表装仕上げの塗装のことをいいます。

天井や壁を塗装仕上げにする際は、施工面積も広いため、他の職種の工事とかぶらないように工程を組むことが多い工事になります。

 

~【表装工事】~

表装工事とは、壁・天井・床の仕上げ工事のこと。

順番は、天壁の工事が終わったら、床の工事に入ります。

天井や壁をクロスや塗装仕上げにする際、ただボードにクロスを貼るのではなく、【パテ】といってボードとボードのつなぎ目を平らにしていく作業があります。

この作業は【パテ】を練って、ボードに塗り、やすりで削って平らにしていきます。

やする際に、パテの粉がかなり出ますので、床工事は天壁が仕上がってからになります。

 

~【ガラス工事】~

ガラス工事とは、店舗のフロントガラスの取り付け、サッシの取り付け、また什器でガラスを使う場合にもガラス工事が必要になります。

 

~【サイン工事】~

サイン工事とは、看板や室内の案内などをいいます。

サインの材料はカッティングシートや切り文字、壁面にペイントを使って直接描く場合もあります。

外部のサイン工事で、店名を照らすスポットライトを設置する場合もありますが、こちらのスポットライトの配線・設置は電気工事の範囲になります。

 

~【雑工事】~

雑工事とは、カーテンやブラインドの設置や、手直しなど、本工事に含まれない工事のことをいいます。

見積を取り寄せた際に雑工事の明細がなく『雑工事・一式』になっていたら、必ず内容を確認してください。

 

~【一般経費】~

一般諸経費とは、現場管理費と一般管理費を合算して一般諸経費といいます。

いわゆる会社の利益はここに含まれます。工事全体の10%程度が一般諸経費にあてられることが常識的数字です。

現場管理とは、現場監督の人件費や現場でのお茶代(福利厚生費)などです。

一般管理費とは、現場以外の本社経費のこと。作図の際の用紙だったり光熱費など、細かい経費がここに含まれます。

 

~最後に~

いかがでしたか?ほんの一部でしたが参考にしていただけたら幸いです。

見積書同様に内装の打ち合わせでも、専門用語がちょこちょこ出てきて理解に苦しむことも、あるかと思います。

その時は、理解するまで聞き直して、納得してから次へ進んでもらってください。

お客様と内装業者の、お互いの頭の中で描く空間を同一化させなければ、工事が始まってから『ここは、こうじゃなかった』などのトラブルの原因になります。

内装業者を選ぶ際、お客様の立場でお客様ととことん話し合っていただける内装業者をオススメします。

内装業者とお客様の関係は、予想以上に深いものです。

私が内装業界にいたころ、お客様密着型として仕事をしておりましたので24時間携帯の電源を切ることもなかったですし、設計の前の段階でお客様が内装のイメージがつかないと言うのであれば、何店舗もお客様と一緒に飲食店をまわり、お客様ご自身の作りたいお店のイメージを固めてもらいました。

オープンした後も、何年経った今でも付き合いは続いてる方が多いのです。

私はお客様の立場で良い仕事をしてきたと自信がもてました。

お客様は中途半端な気持ちでお店をオープンさせるわけではないのです。

人生かけているのですから、内装業者も夢を叶えるパートナーでなければなりません。

飲食店開業までの道のりは、本当に大変ですが、夢を叶えるため、ひとつひとつの作業にも妥協せず頑張ってください。

 

 

 

 

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中込 絵麻

中込 絵麻

調理師
1975年生まれ 東京都世田谷区出身 子供の頃から、飲食店の経営者であった父に憧れ、高校卒業と同時に調理師免許を取得するが、もうひとつの捨てられなかった夢「建築士」を目指し建築学科へと進学。 卒業後は内装設計会社へ就職し、設計~施工管理を担当する。 飲食店、病院、エステティックサロン、オフィス、住宅等を手掛ける。 手掛けた店舗の中には十数年経つ現在も売上をのばし続け繁盛店もあれば、オープンして数年後店舗の前を通ったら違う店舗になっていたという悲しい経験もあります。 夢を形にする幸せをお客様と共感したい。その幸せの形を継続させたい。 そんな強い思いの中、数々の経営者をサポートしてきた会計のプロである当事務所の代表税理士である中野克美と出会いなにか飲食店の皆様のお手伝いが出来ないだろうかと、このプロジェクトを立ち上げました。
中込 絵麻

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